書籍一覧 新刊
藤田博
『藤田博著作集 第二巻 全詩集Ⅱ』
第四詩集『マリー』と第五詩集『リラ 立原道造に寄せて』で、藤田氏がマリー・ローランサンと立原道造に妖精や聖霊を見出して、二人に寄り添いながらこれほどの連作詩集を書き記したことは稀有な試みだった。それほど藤田氏にこの二人の存在から行く手を照らされた畏敬の念があったからに違いない。二人を評価する多くの人びとにもこの試みを読んで欲しいと願っている。
(鈴木比佐雄 解説文より)
A5判/496頁/上製本 ISBN978-4-86435-550-6 C0392 |
定価:3,300円(税込) |
発売:2024年10月4日
目次
第四詩集 マリー (二〇〇七年)
ダイアリー
序
唐草
箒星
虹
1月
見る
雨
奸策
カタツムリ
永遠
来歴
私の馬
花
あかりをともす
空白
夜啼きうぐいす
星?
愛
ルソー
部屋
坂道
ライン
リボン
fan
卓上
クッション
噴水
マンテラ
固有色
形式
一瞬の花
2月
クレッセント
秘匿
牢獄
ステップ
プロポーション?
階調?
退屈
タイル
距離
小鳥
うた
暴力?
この指も……
名詞をかむ
鹿
夢
雪の日
世界
おしゃべり
梢
器
3月
歯
名詞 ほほえむ
夕闇
夜
クイーン
小鳥よ
断崖
ヴェール
マリーへの弁護
金の首すじ
編む
舗石
迷い子
たなごころ
風車
午後
日々
職人
風
ひめやかに
灰色
踏段
心のふち
ピンク
私生児
スペイン
受肉
思案
薄明
カカオ
母
カード
橋
雨
バラ色
早朝の街をあるき
修道院
同時代
作品
レモンのある静物
狩りをする詩人
気品
構図
調教
警戒
女 1930年
あとがき
第五詩集 リラ 立原道造に寄せて (二〇一〇年)
黄金の杭
黄金の杭
春の棚
空と房
白樺
3月
*
道造のポプラ
挽歌I
挽歌Ⅱ
こえ
かぜはあまれ
ついおく
ほほえみはみちて
きょぜつ
かぜはあまれ
みちるいのちへ
おとはひとしく
だいけんちく
こまやかにほとりは
つらぬかれたもの
よたびのめぐりを
ちゅうくうは
わすれはてられたものを
ねむりによせて
いやされて
たしかさのために
リラ
ノート
悲歌
リズムとメロディ
細い笛
楽の音
こえ
距離
ほろび
アダジオ
アダジオⅠ
アダジオⅡ
アダジオⅢ
鳥たちのように
私のかろやかさのために
涙に寄せて
黄金に縁取られて
貧しさの境
木の実に寄せて
建築に
高窓のように
蜜の配分
ほほえみに
おまえの言葉は
広場に寄せて
踊り場に囚われ
眠りではない眠りに
バルコンに寄せて
追憶は
鳥たちのように
午前に寄せて
石柱の歌
午後に寄せて
おまえに寄せて
あとがき
解説 鈴木比佐雄
第六詩集 億万の聖霊よ(二〇二三年)
Ⅰ 聖橋
聖橋
水門へ
時
水澄まし
想い
初夏
Ⅱ 土堤の歌
わが歩み
ほほえみ
瞳 ―初夏に
土堤の歌 I
土堤の歌 Ⅱ
恵
かがやかしい日
Ⅲ 億万の聖霊よ
冬のつるくさ
光よ
転生
セーラー服の少女
薄明
鉄条網
花梨
蔦
朝霧
億万の聖霊よ
Ⅳ Not I was born
Not I was born
秋に寄せて
汗する太陽
樹木に
カリヨン
台風一過
海の内陸
中学生
Ⅴ ある寒気に寄せて
ある寒気に寄せて
雨の中の母性
オリガ・プチャーチナ
秋
ポプラ Ⅰ
ポプラ Ⅱ
木蓮
シロツメクサ
フラット
張り出す裸木
Ⅵ 大空に寄せて
天幕
夕暮れに寄せて
少女
風のとびら
いのちのフロント
大空に寄せて
あとがき
解説 鈴木比佐雄